産地から

カナリア諸島

DOはいずれも1992年以降に認定されたもので、1996年新たにAbonaアボーナ、Valle de Guimarバジェ・デ・グイマール、Valle de la Orotavaバジェ・デ・ラ・オロタバの3つがDOに加えられ、現在は10のDOがあります。ワイン造りの歴史は15世紀と古く、今でも赤、白、ロゼから甘口のデザートワインまで、ひと通りの種類が造られています。フィロキセラ禍の影響を受けなかったため、近年は自根から作られる自然派の傑出した銘柄が注目されています。生産本数が少ないこともあり、一部マニアから熱狂的な人気を呼んでいます。 カナリア諸島最大のテネリフェ島には、イコデン・ダウテ・イソーラ、バジェ・デ・ラ・オロタバ、タコロンテ・アセンテホ、バジェ・デ・グイマール、アボナがあります。イコデン・ダウテ・イソーラでは赤、白、ロゼのほかに、酒精強化の甘口ワインが古くから造られています。また、リスタン・ブランコ100%から造られる白ワインは、香りや酸味が豊かでフレッシュ&フルーティな人気ワインです。
17世紀から18世紀にかけて、カナリア諸島のワイン中心地であったバジェ・デ・ラ・オロタバは丘陵地の水はけの良い斜面にぶどう畑が広がり、伝統品種のリスタン・ネグロとネグラモルから果実味豊かな赤ワインが造られています。タコロンテ・アセンテホは海抜200m~800mの斜面地帯の肥沃な火山土壌に広がり、リスタン・ブランコとリスタン・ネグロからフレッシュは白と赤が造られ、カナリア諸島最大の生産量があります。1996年DOに指定されたバジェ・デ・グイマールとアボナでは、マルバシア、グアル、ベルデホから白ワイン、リスタン・ネグロ、ネグラモル、モスカテル・ネグロからはフレッシュでフルーティな赤・ロゼワインが造られています。
カナリヤ諸島の西にあるラ・パルマ島とエル・イエロ島には各島全体を包括するラ・パルマ、エル・イエロのDOがあります。ラ・パルマは土壌が火山灰であるためフィロキセラや峨などぶどう特有の病害がありません。マルバシアを使った甘い酒精強化ワインが伝統的に造られてきましたが、最近はフレッシュなタイプの白ワインも造られています。赤ワインはネグラモルをベースにした軽くフルーティなワインが島の中央部で作られます。エル・イエロではぶどう畑は斜面を利用した棚田状に作られていて、ベルハリエゴとリスタン・ブランコからバランスが良い白ワインが造られています。
ランサローテはランサローテ島のすべてを占めるDOで島全体が火山灰で覆われています。非常に風が強いため、ブドウ畑は石を積んだ囲いで保護され、木は一本づつ個別の壕のような大きな穴の中に植えられています。17世紀頃、マルバシアと少量のリスタンから造られる酒精強化ワイン「カナリー・サック」が広く飲まれていて、現在も伝承されています。赤とロゼはリスタン・ネグロとネグラモルから軽いタイプの赤ワインやロゼワインが少量作られています。そして近年はブラックブランカ、ブレバル、ディエゴなど伝統品種に加え、リスタン・ブランコからのフレッシュな白ワインが増えています。

原産地(DO, DOC, VP)

  • 赤ワイン
  • 白ワイン
  • ロゼワイン
  • オレンジワイン
  • スパークリング
  • シェリー