産地から

カスティーリャ=ラ・マンチャ

ラ・マンチャは、スペインの原産地呼称のなかでも最大の栽培面積と生産量を誇るワイン産地です。セルバンテスが「9カ月の冬(インビエルノ)と3カ月の地獄(インフィエルノ)」と記述したように、極端な大陸性気候にあるこの土地で最も多く栽培されてきたぶどう品種が、世界最大の栽培面積もつ白ぶどうのアイレンです。近年、最新の醸造技術を駆使して、あるいはマカベオ(ビウラ)とブレンドすることによって、新鮮ですっきりとした風味の新しいタイプの白ワインが造られるようになってきました。また、センシベル(テンプラニーリョ)への改植が奨励され、赤ワインの生産割合も徐々に増えています。
これまでは協同組合が生産の要となっていましたが、豊富な収穫量や栽培コストが安いことに着目したリオハなどの地域外のワイン生産者による投資が増え、品質の改善、向上への取り組みが行われ始めました。お手ごろな価格で良質な、親しみやすい味わいのワインがヨーロッパ各国にも多く輸出されるようになり、欧米のワイン評論家や専門家はラ・マンチャを「眠れる巨人が目を覚ました」と言って注目するなど、これからも目が離せない産地です。 DOラ・マンチャはマドリードから約60kmの南カスティーリャのメセタ(台地)に位置しており、この地方の面積の半分を占めています。ブドウ畑はアルバセテに12、シウダードレアルに58、クエンカに66、トレドに46と、合計182の自治体に分布しています。ラ・マンチャは世界最大のワイン生産地域でもあり、DO認定ブドウ畑面積の合計は164,553ヘクタールで、スペインで生産されるワインの3割ほどを占めていると言えます。
ラ・マンチャは理想的なブドウ畑です。気候ははっきりとした大陸性気候で夏と冬の気温の差、また一日の気温差も大きく、また非常に乾燥していて、そのためブドウの実は健康に恵まれています。ヘクタール当たりの収量はそれほど高くはありませんが、その分品質に恵まれていると言えるでしょう。 ラ・マンチャのワインの最初の公式認定は1932年で、その年の9月に発行された「La Gaceta de Madrid」(今日の政府州公報)で「原産地呼称」として認定されており、スペインで最も古いDOの1つとなっています。 長い間ラ・マンチャのイメージは、乾燥した巨大な台地で、質よりも量優先のワイン生産をしているというものでした。しかし今日では世界の名高いワインの中で確たる地位を獲得しています。
[Foods and Wines from Spain Japan(スペイン大使館経済商務部)より抜粋]

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