19世紀、世界中に壊滅的なブドウ被害をもたらしたフィロキセラ禍。カナリア諸島には到達しなかったおかげで、ここのブドウの樹はほとんどが自根。樹齢の高い樹も多く残っていて、この畑では70~120年の樹が現役で活躍しています。曲がりくねったダイナミックな木肌を実際に目にすると、神話のような樹勢に凄みと迫力を感じることができます。
ロス・パシトスという名前の由来となった畑で作られたブドウは、コルドン・ロワイヤル・シンプルという農法で栽培されます。畑では化学合成薬剤や肥料を施さないビオロジック栽培。収穫は16kgの小さな箱を使って手作業で行われます。ブドウは土着酵母を使用し、約600リットル容量のオープンタンクで自然発酵させた後、容量の異なるフレンチオーク樽に移され14カ月間熟成。無濾過で瓶詰めされ、満を持して市場に出ます。
「ロス・パシートス」はスエルテス・デル・マルケスの赤ワインの最高峰。バボド・ネグロという品種のみを使い、野生酵母による自然発酵から生まれたこのワインを一度でも味わうと、ふくよかさが横溢しシアワセ気分に浸れます。農薬や殺虫剤を使うワインはもう飲めないとも思いました。 Parkerポイント95点+
7,920円(税込)