カバの生産者はペネデスを中心に200社近くありますが、自社畑のブドウを使っているのは30社ほどに過ぎません。その一社が、サバテ家が造るカバ。使うブドウはすべて自社畑で収穫した地ブドウ。グリーンハーベスト(未熟なブドウの間引き)、葉や草取り作業、収穫などはすべて手作業。雑草は飼っている羊が食べ、その糞を肥料にしているほか、環境を守るため殺虫剤などの化学製品の使用を極力避けています。また月と自然のサイクルは互いに影響していると考え、選定、施肥、収穫、瓶詰作業なども月の満ち欠けに応じて行われています。
代々ブドウをワイン生産者に販売していたサバテ家3代目当主が、「この土地でしか造れないワインを造ろうと」と自社畑で収穫したブドウからワイン醸造を開始したのが1979年。テロワール(その地ならではの土壌)にこだわり、年々畑を広げ現在ある1.9haの畑すべてが有機栽培の認証を得ています。 醸造にはテロワールと区画で分けた64種類のタンクがあり、これらをパズルのピースのように組み合わせてブレンド。気の遠くなるような手間をかけて、美味しいカバを造り続けています。その積み重ねもあり、2016年にはカタルーニャソムリエ協会からベストワイナリーの表彰を受けています。
スペイン農林水産省は2017年、スパークリングワインCava(カバ)の上級格付けとして12カ所の「単一ぶどう畑」を承認しました。認証を受けた畑のブドウから造られるカバには、そのカテゴリーのステータスを示す「Cava de Paraje Calificado カバ デ パラヘ カリフィカード」と畑の名前をラベルに表示できます。また「Terroja テロハ」という名前をもつ2haの畑が単一ぶどう畑に認定されていて、「赤土の土地の城(カステル=城、ロッチ=赤土)」を意味する「カステルロッチ」がスタンダードレンジで、上位レンジは「サバテ イ コカ」名義でリリースしています。
このカバは樹齢の高いチャレロを手摘み収穫し、フレンチオーク樽で発酵させ、発酵後3〜4ヶ月寝かせた後、ボトルに移し瓶内二次発酵を行います。瓶詰め後、二次発酵から澱引きまでの期間は50ヶ月以上。非常にきめ細かい繊細な泡立ち。熟した果実やトースト香が鼻腔をくすぐり、その後ろからフェンネルやタイムを思わせるハーブの要素が混ざる複雑なアロマに特徴があります。シルクのようにしなやかで深みのある口当たり、しっかりとした骨格があり、素晴らしくバランスがとれた味わいが楽しめます。
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