ムルシア

20年ほど前まで、がっしりした骨太のスペインワインといえば、ムルシアのイェクラかフミーリャと相場が決まっていました。特に、この地域の赤ワインの色は黒に近く、アルコール度数は18度とシェリー並み。グラスで気取って飲むよりも、厚手のコップでグイッとあおりたくなるような野性味にあふれていました。
しかし、最近では世界的な「フレッシュ＆フルーティ」需要に押され、ここのワインも軽めのタイプが増えてきました。フミーリャもイメージが大きく変わってきていて、モナストレルMonastrell種を使ったワインはフルボディだが、より果実味のある新しいスタイルのワインとして生まれ変わっています。
一方、ムルシア産の「vino corriente(ビノ・コリエンテ=日常用ワイン)」は、くせのない飲みやすさが魅力。コストパフォーマンスに優れたカジュアルワインとして、国外でも安定した人気があります。